2周目
2枚目のチケットを使い、あと1枚。
1周目とまったく同じ説明を受け中へ、暗さゆえに、少し恐怖を感じつつも、書斎まではびっくり要素がないことを知っているため、背筋を伸ばして、扉を開けてゆきます。
書斎にたどり着きました。今回は僕が夜雨子の顔に薬を塗ります。
あれ?反応がない。
反応がないので、顔面全体をなで回し続けること5秒。やっと、夜雨子が「ありがとう」とこちらを向きました。
やることは終えたので、書斎を出ます。すると……
「ヴァアアアアアアアアア!熱い!焼けるようだ!また騙したなあああああぁ!!」
と案の定、夜雨子の叫びが聞こえてきます。ここで、僕は気が付きました。
あのぬったやつ、薬じゃなくて蛾の鱗粉だったのかぁ♨
……そういえば係員のお姉さんは「ただれたところにポンポンと薬をつけてください」と言っていました。でも、僕は反応がないからといって、顔中を撫で回していましたね。これはいけない。
夜雨子、再び激怒。
1周目の時点で、ビビりながらも、脅かしスポットは把握していました。だから、脅かしにきても余裕で通過できると思っていました。
しかし、一周目でしゃがんでたために把握できていないスポットがいくつかあったようです。知らないところからオバケがヤッホーしてきたので、僕はまたもや、ビビって声を出してしまいました。
でもでも、これで全ての脅かしスポットを把握できたはず!次こそは余裕だ!
そう確信しました。
3周目
チケットをすべて使い切りました!
係員さんからの説明が省略されるようになりました。出た途端に入口に直行して周回していましたからね。顔を覚えられてしまったのでしょう。
余裕の心で3度目の夜雨子ハウスへ。もはや実家。
1、2回目の反省を踏まえ、3回目は夜雨子に「薬」を塗らないことにしました。顔のただれが悪化したら良くないですからね。僕は優しいのです。
そんなわけで、薬、改め鱗粉を塗らずに夜雨子が動くのを待ってみました。しかし、一向に何も起こりません。
仕方がないので、書斎を出ました。
すると
「ヴァアアアアアアアアア!熱い!焼けるようだ!また騙したなあああああぁ!!」
と夜雨子がキレ始めました。
いや、なんでやねん!!何もしてないぞ!!
Oh,飛び出てきた夜雨子ちゃん、鱗粉塗ってないのに血まみれになってる!
しかし、今度の僕は無敵です。どこで何が出てくるかがわかるのです。正面からいきなり飛び出してくる夜雨子ちゃんも事前に回避できます。お化け屋敷の運営からしてみれば害悪以外の何者でもありません。
というわけで、3周目は余裕でクリア。何が起こるかわからないから、ビビってしまうわけですね。わかっていればなんてことないのです!
まさか僕が、お化け屋敷をビビらずに歩けるとは夢にも思いませんでした!
最後に
バカなことをしたなあ……
お化け屋敷はスリルを味わってなんぼじゃないですか。それに、ここ以外のお化け屋敷はやっぱり怖いままだし……。
3枚目のチケットはジェットコースターに使えばよかったと思いました。
釈然としない気持ちのまま、お化け屋敷の外にいる夜雨子に見送られ、ドームシティをあとにしました。
結局下の6人は誰なんだ??