「プルダックポックンミョン」というこの妙な名称は韓国語の呼び名をカタカナにしたものである。
あいにく私は韓国語がサッパリなので、中国語での名称である「三養辣雞泡麵」のほうがなじみ深い。
が、そんなことは今はどうだっていいのだ。大抵の読者の方は興味ないし、覚えるつもりもないだろう。
そんなことよか、皆様にはこのブログを書いている人物が「ふぐ」という名であるということを覚えておいていただきたい。
深夜にもかかわらず、私はこの不健康爆発なインスタント麺を食べたくなってしまったのだ。
ただ、幸いにも翌日は休日、ブログのネタにもなるということで、食べることを決行したのだった。
台湾輸出向けのパッケージではあるのだが袋の表側はハングルにまみれ、見るからに韓国製品だとわかる。
私は日本では見かけたことがないが、台湾ならばどこでも簡単に入手できる。日本だと、どうやら新大久保界隈で売っているらしい。さすがコリアンタウンと呼ばれるだけのことはある。
さて、鍋に麺をあける。見ての通り、鍋が小さい。
なぜか分からないが、我が家は皿、コップ、鍋、様々なものが需要に対して微妙に小さいという問題がある。
「大は小を兼ねる」ということわざが、私をあざ笑うかのように頭の中を駆け回る。
だが、麺はふやかせばなんとか収まるのだ。ことわざなどクソ食らえである。
そんなことよか、問題なのは鍋の下のIHの火力である。
俗に言う「クソザコ」な性能であるため、ケトルであらかじめ熱湯を作っておかなければならないという難点がある。
水から沸くのを待てば夜が明けてしまう。
そもそも、難点と言ったが、IHは加熱するための道具なのだから、加熱性能がダメダメなのを”難点”の一言で済ませて良いものなのだろうか。
IHのHは「heating(加熱)」のHである。となれば、こいつはもはや、”I”でしかない。ちなみに”I”は「induction(誘導)」の略である。
IH改め、この”I”は期待通り、麺を茹でる5分の間に湯を沸騰させることはなかった。
さて、麺がゆであがった(?)ところで、味付けに使うのがこの二つの袋。
赤い方が、激辛ソースで、黄色い方がチーズパウダーである。
まず、湯切りをした麺に赤いソースを入れる。
おわかりいただけるだろうか、辛さ成分だかなんだか知らないが、ソースが赤黒いのである。
血液を連想するこのソース、手につくと、においがなかなかおちない。
そして、傷口につくと、そのケガをしたときよりも痛い目にあう。
そんなソースを加熱しながら混ぜる。
さて、ここで私から読者の皆様へお伝えしておきたいことがいくつかある。
まず、できれば眼鏡を着用すること。ソースが目に入ったら取り返しのつかないことになる。
次に、下痢止めを服用しておくこと。なにもしなければ100%お腹を壊すことになる。
私はこの記事を書く前にも、この麺を何度か食べているが、牛乳、ヨーグルト、バニラアイス。全てが効果なしだった。
しかし、唯一、この下痢止めだけは効果があった。
また、箸は金属製のものか、使い捨ての割り箸を使うこと。ソースが強力すぎて、木についたらにおいがなかなかとれなくなるからである。
そういえば、前回の記事で「台湾には木の割箸はあまりない」と言ったばかりなのだが、この箸は木製だった。なんてことだ。
話は調理工程に戻る。チーズパウダーをふりかけていく。
ネットでは「チーズパウダーのおかげでまろやかになり食べやすくなる」と書いてあった。
だがよく考えて欲しい。こんな辛いものはそもそも無理して食べるものではない。
いくら薄めようと何しようと、摂取するカプサイシン(辛み成分)の総量は同じなのである。
この麺はカプサイシンの化け物であり、もはや毒なのだ。
毎日食べでもすれば、もうそれは手の込んだ自殺といえる。
さて、そんな劇物を今から私は食す。皿には移さない。ソースが強烈なので、普通の皿に移したくないのである。
洗い物も面倒だし(本音)。
にしてもなぜ(一部の)人間はこうして辛いものを追い求めてしまうのだろう。
「辛さは痛さだぞ」
この大して目新しくもない情報を、私が辛いものを食べるたびに言ってくる友人がいる。
ならば私はあえて言おう。
「痛いのが好きなのだ」と。
いや、違う。そういう意味ではない。
あくまで口内だけでの話である。
実際、このバカみたいに辛い麺は、そのあまりの辛さに翌日に痛みとなって消化器系の不良を引き起こす引き金になる。
そもそも食べた時点でわかる。ああ、コレマジでダメなヤツだ。と
そう、バカなのは辛さではなくて、食べるヤツなのである。
それにもかかわらず、私はブログのネタになる、という理由だけで、戸棚の奥から、眠っていたこの麺を引っ張り出し食べてしまった。
さらに言うと、勿体ないからという理由で、今回は下痢止も胃腸薬も飲まなかった。
結果、休日が丸一日つぶれた。
丸一日寝てた。ああ……。
そういえば↑サムネイル(タイトルの画像)は「毒を食らわば皿まで」をイメージしている。
でも、考えてみればこれは袋だ。
皿は食べられても袋は食べられない。
「……いや、皿も食えないでしょ」と、皆さんは思っただろうか。
私も思った。
疲れてるようなので、丸一日寝ます。
おやすみなさい。